令和6年能登半島地震で被災された方々へ
第1号記事 2024.01.05
被災地の方々の健康を守るために、スポーツ医学の立場から
1.寒さと不安は免疫力を下げます、限られた空間でも身体をうまく動かしましょう
冬の低温環境にさらされて体温が下がると免疫力が低下し感染症に罹患するリスクも高まります。体温が下がって寒いと感じるときに、私たちの身体がブルブルと震えるのは筋活動によって熱を産生して体温を上げようとしているわけです。そこで、狭い場所でも、座ったままでもできるような体操で手足を動かして筋活動を行って、体温を上げるとともに、手足の血流を改善させエコノミークラス症候群の予防にもつなげて下さい。難しい状況とは思いますが可能な限り水分摂取にも留意下さい。
2.動かない時間が長くなると関節が硬くなり筋肉も骨も弱まります、定期的に動きましょう
身体の各部分の関節も動かさない時間が長いとまわりの筋肉も含めて硬くなってしまい、筋力も落ちてしまいます。歩いたり階段を上り下りしたりするような動きが少なくなると筋力だけでなく骨も弱くなってしまいます。特にお年を召した方は影響が大きくなります。そこで、日本整形外科学会で考案されたロコトレという簡単な運動が限られた空間でもできますので試みてください。
また、向かい合って顔を合わせて同じ体操をしながら1,2,3と声を出すことで気持ちも少し上がります。しりとりをしながら体操したりなど、子どももおとなも一緒にできることも気持ちをなごませてくれるでしょう。
(ロコトレ | ロコモONLINE | 日本整形外科学会公式 ロコモティブシンドローム予防啓発公式サイト (locomo-joa.jp))
ストレッチも手足の血管を刺激することで血流を改善させてくれます。特に太ももの前後、ふくらはぎなどを30秒ずつゆっくりストレッチして下さい。手足の先の血流が良くなると冷えも解消されます。(【冷え性改善】完全版【NHKトリセツショー】超簡単血管伸ばしストレッチで若返り (youtube.com))
3.被災地の子どもたちへ
東日本大震災や阪神淡路大震災の後、成長期の小中学生の成長が影響を受けました。震災や避難生活での栄養摂取の不足、ストレス、その後も十分に身体を動かせないことなどが原因と考えられています。避難生活の中では適度に身体を動かすことで、骨や筋肉を刺激することで気持ちもすっきりできるかと思います。小中学生サッカーチーム向けのウォーミングアップ運動を下記に挙げますので、参考に身体を動かしてみて下さい。
(https://youtube.com/playlist?list=PLe_uC9y95KU1GIAAoxWAmfuDi-4GrPQ6N&feature=shared)